これだから、毛唐の言うことはアテにならない。
いわく、
「著者らは、喫煙本数を減らすことは、完全な禁煙への最初のステップとしては有用となる可能性を指摘している。」
ウソつけ!
タバコを減らすことくらい、つらく、厳しく、意味不明なことはない。
タバコの本数を減らせば、それだけタバコが欲しくなり、必ず次は「倍増」する。
そんなことは、常識なのに。
ともあれ、私は別に「禁煙」なんて、勧めるつもりはまったくない。
「禁煙」なり「減煙」なり、やりたい人は勝手にやればいい。
私は単に、タバコを
「やめる」
「一生やめる」
「二度と吸わない」
その方法を教えるだけであるから。
【たばこ、減らすだけでは総死亡リスクは低下しないという結果】
喫煙者が、すっかり禁煙すると総死亡率が低くなるが、禁煙しないでたばこの本数を減らしただけでは総死亡率は低くならないという論文が、米国疫学雑誌に7月3日公表された。
英国スコットランドの2つの追跡調査のデータを分析した。
45~64歳の就労男女7028人。1回目調査1970~73年、2回目調査1977年。
40~65歳の地域住民男女15402人。1回目調査1972~76年、2回目調査1977~79年。
まず、1回目と2回目それぞれの調査ごとに1日の喫煙本数により対象者を「0本」「1~10本」「11~20本」「21本以上」の4グループに分類。第1回の調査で「喫煙者」(「0本」以外)だった計5254人を分析の対象にして、1回目の回答と2回目の回答を比べて以下の4グループに分けた。
「禁煙」 (2回目で「0本」と回答)
「減煙」 (1回目が「11~20本」で2回目が「1~10本」など、喫煙本数が減少)
「不変」 (1回目も2回目も「11~20本」など、おなじカテゴリーに回答)
「増煙」 (1回目が「11~20本」で2回目が「21本以上」など、喫煙本数が増加)
対象者に占める割合は、「増煙」が11.0%、「不変」が63.0%、「減煙」が11.7%、「禁煙」が14.2%。2回目の調査から最長33年の追跡調査により、分析対象者の84%にあたる4439人が死亡した。
「不変」群と比べた総死亡リスクは、「増煙」群が1.16倍と高く、「禁煙」群は0.74倍と低かった。いっぽう、喫煙本数を減らした「減煙」群は1.06倍と誤差範囲にとどまる結果で、はっきりしたリスクの低下はなかった。
喫煙本数の変化と総死亡リスクとの関係
グラフ
(「不変」群の総死亡リスクを1とする)
著者らは、「減煙」による総死亡率への影響を調べた長期間の追跡調査として、今回の研究を含めて6件を挙げている。そのうち、「減煙」による総死亡リスクの低下がみられたのはイスラエルの研究の1件のみ。残りの5件では、「減煙」による総死亡の低下や脳卒中・心筋梗塞リスクの低下はみられなかったという。
いっぽうで著者らは、喫煙本数を減らすことは、完全な禁煙への最初のステップとしては有用となる可能性を指摘している。
今回の研究の意義としては、最長33年、対象者の84%が死亡するまでの長期間の追跡調査を行い、「減煙」では総死亡リスクの低下がみられないことを示した点があるだろう。
いっぽう、研究の限界としては、「減煙」したグループがなぜ喫煙本数を減らしたのか、その理由を調べていない点などが挙げられるだろう。たとえば、心筋梗塞・脳卒中・がんなどの病気になったことが原因で喫煙本数を減らしたのだとすれば、病気になったことによる死亡リスクの上昇によって、「減煙」による総死亡リスクの低下が(本当はあったはずなのに)相殺され、過小評価されている可能性もある。
とはいえ、今回の論文と先行の5件の長期間の追跡調査の結果を総合すると、喫煙者が総死亡リスクを減らすためには喫煙本数を減らすだけでは不十分で、すっかり禁煙することが必要というのが現時点での判断となるだろう。中途半端は不十分。思い切った禁煙が必要、ということではないか。