「風立ちぬ」は「条約違反」=喫煙描写に禁煙団体が要望書
この件、ネット上でも、ちょっとした祭りになっています。
私は「ニコアン」カウンセラーなので、禁煙団体とはいっさい関係ありませんが、
同じ「タバコ」を扱うという関係上、軽く解説しておきます。
まず、ニュース本文は以下の通り。
「風立ちぬ」は「条約違反」=喫煙描写に禁煙団体が要望書
NPO法人日本禁煙学会(作田学理事長)は14日までに、宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」に登場する喫煙場面について、「たばこ規制枠組み条約で禁止された、たばこの宣伝・広告に当たる」と指摘、「法令を順守した映画製作をお願いする」との要望書を公表した。
要望書は、肺結核で伏している妻の手を握りながら夫がたばこを吸う場面があることを特に問題視し、「なぜこの場面でたばこが使われなくてはならなかったのか。他の方法でも十分表現できたはず」と批判。学生が友人にたばこをもらう場面も、「未成年者の喫煙を助長し、未成年者喫煙禁止法にも抵触する恐れがある」とし、「さまざまな場面での喫煙シーンが子供たちに与える影響は無視できない」と憂慮を示した。
[時事通信社]
と、禁煙学会の言い分としては、
「日本も、たばこ規制枠組み条約(FCTC)という国際条約に批准しているのだから、ちゃんと守ってくださいよ」
ということでしょう。
これは確かに事実です。
確かにFCTCでは、テレビや雑誌や映画など、ありとあらゆる媒体上での「タバコの宣伝」や「イメージアップ」でさえも、全面的に禁止を求めています。
ただし、日本においては、タバコの利権を握る財務省の横槍が入り、ほとんど形骸化、有名無実化していますので、その存在を世間に知らしめる、という狙いは確かに達成したでしょう。
しかし、それに対して多くの日本人がどう思ったかというと、
「ヒステリックなカルト集団が、宮崎アニメにインネンをつけた」
これが、90%の反応ではないでしょうか。
実際、私がこの件を知ったのも、Facebookである禁煙推進の女性が、
「こんな教育に悪い映画は、子どもに見せられません」
とシェアしていたのを見たからです。
まるでPTAのワースト番組弾圧や、言葉狩りみたいなイメージでした。
ネットを見てもこのような意見が大半だし、マスコミもそのように報道しています。
もちろん、マスコミにはJTから多額の広告料が渡っているので、当然タバコの肩を持ちますから。
結果として、禁煙団体のやったことは、
「狂信的な嫌煙カルト集団【ニコチン・シェパード】 が、日本が誇る宮崎アニメにケチをつけた」
という悪いイメージを植え付けるだけに終わってしまったようです。
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しかし、私はこれでいいのかな、と思います。
そもそも、禁煙団体の最大の目的とは、
・タバコの有害性をアピールする
・タバコのあらゆることを禁止する
ということであり、決して
・タバコをやめさせる
ことが目的ではありません。
言い換えれば、タバコの有害性をアピールし、喫煙者はバカだという印象さえ与えられればいいわけです。
そういう意味では、今回のこの件をきっかけにタバコをやめる人がいなかったとしても。
逆に、この騒動をきっかけとして、子どもたちが映画を見に行ってタバコを覚えたとしても、
「だから言ったでしょ」
で済むわけです。
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その点、ニコアンの目的は、最初から一つ。
「タバコをやめさせる」
これが唯一の目標ですから、別にテレビやアニメで誰がどれだけタバコを吸おうが、まったく関係ありません。
ニコアンすれば、いくら目の前でタバコを吸われても、絶対に吸いたくなりませんからね。
ということで、今後も「禁煙」と「ニコアン」を、混同されないようにお願いします。