キャバクラのお姉ちゃんにダマされて、ずいぶんカネを貢がせられたよ。
だから、ボクお利口になったんだ!
「ガールズバー」なら安心だし、恋の芽生えもあるかもね!
…これが「電子たばこ」にダマされる人の典型です。
女性から見れば、一目で分かるでしょう。
「バカ」って。
ここ数年は精通している事業分野におおむねとどまっていた大手たばこメーカーが最近では業務範囲を広げつつある。
時価総額ベースでアルトリア・グループ、レイノルズ・アメリカンに次いで米国3位のたばこメーカー、ロリラードは、英国の電子たばこメーカー、スカイシグを最大1億ドルで買収することに合意した。昨年には米国の大手電子たばこブランド、ブルシグを1億3500万ドルで買収している。
これらはいずれも大型取引には見えないものの、アルトリアが2008年に無煙たばこメーカーのUSTを買収して以来、大手3社が手掛けた買収の中では上位2位を占めている。
ロリラードはあえて危険を冒している。アルトリアとレイノルズは自社内で小規模な電子たばこブランドを開発、米国内の幾つかの市場でそれらを実験的に販売しているに過ぎない。電子たばことは、ニコチン混入の液体を電池で暖めて蒸発させる器具。外観は通常のたばこと見分けにくいが、たばこは入っていない。
ロリラードの動きの背景には多角化の必要性があった。現在の主力製品はメントールたばこの「ニューポート」だが、米当局は最近になってメントールたばこの規制強化を検討している。ロリラードの株価はここ数年間、同業他社より割高な水準で取引されていたが、今や予想株価収益率(PER)は13倍とレイノルズの14.3倍、アルトリアの13.8倍を下回っている。
そうは言っても業界各社は電子たばこを手掛けることでたばこ事業を守ることもできる。米食品医薬品局(FDA)はすでにたばこ内のニコチン混入率を引き下げたいと示唆している。ニコチン混入率を下げれば中毒になりにくくなる。喫煙者は代替手段を探し始めるはずだ。
小売業者も理由があって従来のたばこより電子たばこを優先して陳列棚に並べている。ジェフリーズのティロ・リーデ氏は、ここ数四半期でメーカー側が従来のたばこを値上げしたが、小売業者は値上げ分を販売価格に転嫁できずに利益率の低下を余儀なくされている、と指摘する。
加えて多くの独立系電子たばこメーカーが事業機会を探している。NJOY(エンジョイ)やFIN(フィン)といったブランドはすでに50州に従来型の販売網を構築済みだ。
一方、大手たばこメーカーにはそれほど大きな事業機会はない。ロリラードも使用可能な現金の多くを配当や自社株買いに向けている。時価総額170億ドルの企業にとっては、今回の取引に必要な現金を集めるくらいは何の問題もない。アルトリアやレイノルズはロリラードよりさらに規模が大きい。
電子たばこを軽視することは簡単だ。モルガン・スタンレーは、2013年に電子たばこは従来のたばこから0.5%のシェアしか奪えないとみている。しかし従来のたばこを守る手段が限られる中で、ロリラードには明るい光がともっているとの見方が広がるかもしれない。