東京五輪「喫煙環境」でも波乱 禁煙?分煙? 都条例化めぐり紛糾

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nico

いまどき、大の大人が人前でタバコを吸ってOKなんて、日本くらいです。

他の国では、ジャンキー、ホームレス、社会的落伍者、ヒッピーなど、まともな人間扱いされません。

往来で立ちションするとか、鼻くそをほじって食べる。

そのレベルです、日本人の「喫煙マナー」とは。


 

東京五輪「喫煙環境」でも波乱 禁煙?分煙? 都条例化めぐり紛糾

 

 訪日客の視点で「おもてなし」必要

 新国立競技場の建設計画の白紙撤回に揺れる2020年東京オリンピック・パラリンピック。開催を5年後に控え、「喫煙環境」についても波乱が発生した。会場やレストランなどの屋内施設を全面禁煙にするのか、あるいは分煙環境をより整備していくのか。今後、訪日外国人に対するホスピタリティーを含めた議論が求められていく。

土壇場でまとまらず

波乱が表面化したのは、東京五輪に向けてレストランなどの屋内喫煙に禁煙や分煙を義務付ける都条例の是非について議論を重ねてきた「東京都受動喫煙防止対策検討会」(座長は安念潤司・中央大学大学院法務研究科教授)。

同検討会は昨年11月から今年3月まで5回にわたって開かれ、本来なら5回目の会合(3月31日開催)で提言をまとめる予定だった。ところが、最終回で全面禁煙を主張する罰則付き条例の制定を求める条例推進派が、まとまりかけていた提言をひっくり返してしまう。この結果、年度をまたぎ第6回検討会が5月29日に開かれたのだ。年度またぎの継続審議となったこと自体、異例だった。

最大の焦点だった条例制定について最終的に決まった提言は、3月の当初の提言案と同様に事実上見送られ、「2018年までに、条例化について検討を行う」という表現となった。ちなみに、当初案は「(18年までに)条例化を見据えて受動喫煙防止対策を再検討する」という弱い表現だった。このほか「国に対しては、全国統一的な法律での規制を働きかけること」などが盛り込まれ、条例推進派におもねる内容となった。

 そもそも検討会の委員12人のうち、医療・医学関係者が8人を占めたことが、年度またぎの継続審議といった波乱を招いた原因だったろう。五輪・パラリンピックはスポーツの祭典である一方、世界から多くの観光客が来日する。委員は医療・医学の専門家に偏るのではなく、観光や飲食など多様な民間事業者も集めるべきだった。

10団体から意見聴取

検討会は昨年10月から、東京商工会議所、東京都飲食業生活衛生同業組合、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合、日本たばこ産業(JT)、東京都医師会、日本フードサービス協会、日本旅行業協会など10団体からの意見を聴取してきた。

 このなかでも東京都医師会は「壁やドアで仕切っても、受動喫煙の完全防止は不可能。従業員の健康被害防止の観点からも、飲食店では全面禁煙とすべきだ」と主張。東京都消費者団体連絡センターも「都のガイドラインの条例化を要望」、主婦連合会も「消費者教育などで未来の喫煙者を限りなくゼロに近づけることが根本的な問題解決になる」などと、条例推進の立場だった。

 この3団体に対し、残りの7団体は条例制定には反対もしくは消極的な立場だった。

東京都飲食業生活衛生同業組合は「一律規制は売り上げなどへの影響が大きい。都には飲食店の実情に合わせた支援を」、日本旅行業協会は「分煙の設備投資への支援は必要」、東京商工会議所は「条例などで一律に事業者を規制するより、喫煙者、非喫煙者が共存できる仕組みが必要」と主張していた。

つまりは、意見聴取とは関係なしに、結果として提言が出された格好でもある。

受動喫煙防止をめぐっては、舛添要一都知事が昨年から前向きな姿勢を示していたことから、検討会が設置されたのが経緯という指摘はある。だが、都議会最大派閥の自民党が「条例ではなく、自主的な取り組み」を求め、舛添知事も「ただちに条例化は困難」との考えを示した。だが、こうした政治的な判断にもかかわらず、一部の検討委員が条例化へと突き進んだ格好だった。

 では、これまでの五輪開催都市での喫煙状況はどうだったのか。

 北京やソチではオリンピック開催当時、医療機関や教育施設では屋内で禁煙だった一方で、レストランやカフェ、バーでは喫煙が可能だった。ロンドン、バンクーバーでもホテルなど宿泊施設では、個々の部屋を喫煙ルームと指定することは可能だった。また、日本とは異なり、屋外を規制していた開催都市はなかった。

週刊ホテルレストランがJTBグローバルマーケティング&トラベルなどの協力を得て、昨年11月から12月に「外国人観光客の日本に対する喫煙環境意識調査」を実施した。これはJTBグローバルマーケティング&トラベルのツアーに参加した外国人観光客を対象にしたアンケート。米国やカナダ、中国、オーストラリアなどの出身者を中心に482人に聞いた。

それによると、「街中に吸い殻が落ちていない」90.4%、「日本人の喫煙マナーが良い」87.9%と、外国人は日本の喫煙環境に対して非常に好印象だった。

飲食店の選択に賛成

また、飲食店が喫煙・禁煙・分煙を選択できる日本独自のスタイルについては賛成が51.6%と過半数を占めた。逆に反対は22.2%だった(喫煙者の賛成は60.6%、反対28.2%。非喫煙者では賛成50.0%、反対21.0%)。

 外国人観光客から高く評価されている東京の喫煙環境は、現実にはいまどうなっているのか。都庁に隣接する京王プラザホテルは、バーは分煙、ロビーにはダクトのついた喫煙スペースを設けている。一方で喫煙できる部屋もある。レストランの多くはゾーン分煙を導入し、バーは店によって喫煙可と分煙に分かれる。さらに、今秋には47階の宴会フロアに、ロビーと同様のダクト付き喫煙スペースを設置していく計画という。「日々、100カ国近くの国からの利用者があり、喫煙をはじめ多様な要望に応える必要もある」と同ホテルは説明する。

 サッポログループのサッポロ不動産が運営し、外資系企業も多く入る恵比寿ガーデンプレイスタワー。

オフィスタワーにおいては、テナント従業員専用の喫煙所が地下1階にあり、また一般客と共用の喫煙所が1階屋外に設置されている。これ以外は全て禁煙。ただし、1フロアを全て使っているテナントには、独自に喫煙室を設けている例もある。

飲食店に関しては、店内喫煙の可否を店舗に任せていて、完全禁煙とゾーン分煙との2パターンがある。また、最近、地下1階のオープンスペースの飲食店向けに喫煙室を新設した。

 恵比寿ガーデンプレイス全体では、三越とサッポロビール本社ビルとの間に2カ所の喫煙所を設置。サッポロホールディングス(HD)本社は、個室と屋外とで2カ所の喫煙所を設けている。「会社もガーデンプレイスも、分煙を推進している」(サッポロHD)という。

 キリンホールディングス(HD)は、2013年に渋谷区原宿や中央区新川にあった拠点を、中野区中野に移転させて本社としたばかり。

分煙への取り組みは1995年頃から始まったが、今回の新本社ビルでも共用部には喫煙室を設けた。「受動喫煙に対する健康被害の防止が、分煙の基本的な考え方」とするキリンHD。

わが国はいま、東京五輪開催決定を機に、訪日外国人数を年間2000万人に、旅行客の消費額を年間4兆円にそれぞれ増やすことを目指している。ちなみに、今年5月の訪日外国人数(推計値)は前年同月比50%増の164万人となり、5月としては過去最高を更新した。今年1~3月の訪日旅行消費額全体も同64%増の7066億円で1~3月としては過去最高を記録し、既に目標達成は視野に入った。

 東京都飲食業生活衛生同業組合は「五輪招致で流行した『おもてなし』は、日本人の気質である優しい気遣いを意味する。画一的な規制ではない」と、検討会に意見・要望を表明した。

 整備事業者に補助金

国益、中小事業者の経営、さらに外国人観光客へのホスピタリティーなど、5年後の五輪に向け「喫煙環境」はどうあるべきか、多方面からトータルな議論が必要。決して、一部の勢力だけの要望が決め手とはならないはずだ。特に、顧客となる訪日外国人の視点に立って考えることが大切だ。

そうした中、東京都は増加が予想される外国人観光客が快適に宿泊・飲食施設を利用できるよう、分煙環境整備を行う事業者を対象とした補助金事業を開始する。都内の宿泊施設や飲食店を対象に27日から募集を始めており、1施設300万円まで、喫煙室や分煙設備工事費の5分の4を補助する。喫煙率の高いアジアや欧州の国々からの観光客に「喫煙マナー」や「分煙」といった日本ならではのおもてなしは、東京五輪の一つの特徴になるはずだ。

拙速に動いたため、白紙撤回を余儀なくされるのは、新競技場の建設計画だけで十分だ。


 

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