禁煙外来の医者の仕事とは、
「病名をつけること」
「禁煙薬を売ること」
であって、
「タバコをやめさせること」
ではない、と聞きました。
確かに、そんな気がします。
〝禁煙法〟は子供の健康を改善するか?
前回はファミリーレストランを禁煙にすると収入が増えるという日本の研究をご紹介しました。今回は、職場や公共の場所を禁煙にする法律が早産や子供の喘息を減らすという海外の研究をご紹介します。
Lancet誌という臨床医学ではトップレベルの雑誌に掲載されました(Been JV et al, Effect of smoke-free legislation on perinatal and child health: a systematic review and meta-analysis., The Lancet, March 2014 doi:10.1016/S0140-6736(14)60082-9)。この研究は系統的レビューおよびメタ解析という、複数の研究を総合してまとめる手法で行われました。一つの研究だと、研究対象者の人数が足りないせいで正確な結果が得られないかもしれません。あるいは、偶然によって結果の偏りが生じるかもしれません。複数の研究をまとめることで、より信頼できる結果が得られます。
5つの北アメリカの研究と6つのヨーロッパの研究の合計11個の研究が解析されました。それぞれの研究は禁煙法が施行される前後を比較しています。11個の研究を総合した結果は、禁煙法の施行によって早産が約10%、12歳以下の子供の喘息による受診も約10%減るというものでした。一方で低出生体重児については1.7%の減少があったものの、統計学的には有意ではありませんでした。この研究結果は、禁煙環境を作るようにというWHOの勧告を支持する根拠になると著者は結論しています。
意外な結果ではありません。受動喫煙の害はよく知られています。禁煙法を施行すると受動喫煙が減って早産や喘息が減るのは当たり前のように思えます。ただ、一見当たり前のように見えることでも、きちんと確認するのは大事です。
〝禁煙法〟によってかえって子供の受動喫煙が増えるという可能性もありました。たとえばの話、「禁煙法施行→公共の場所ではタバコが吸えない→しょうがないから家に帰ってたくさん吸う→家庭から逃げることのできない子供の受動喫煙が増える→子供の喘息が増える」ということが絶対にないとは、確認するまではわかりません。実際には、いくつかの国で禁煙法の施行前後で禁煙の家庭が増えたそうなので、むしろ「禁煙法施行→公共の場所ではタバコが吸えない→これを機会にタバコをやめよう→家庭での喫煙も減る」という効果もあったのでしょう。
喫煙する個人の自由も尊重されるべきだとは思いますが、他人に健康被害を与えるからには、公共の場所での喫煙が制限されるのは仕方がありません。
日本でもだいぶ禁煙の場所が増えてきました。今後もこの傾向は強くなりこそすれ、弱まることはないでしょう。これまで自由にタバコを吸えていた場所が禁煙になっていきます。喫煙者のみなさんは、喫煙を続けるつもりであれば、いまのうちから公共の場所での喫煙を避ける習慣を心がけるといいかもしれません(個人的には禁煙することを強くお勧めしますが)。
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