私は以前、塾の先生をやっていました。
先日、そのとき一緒に先生をやっていた方と久々に再開し、
仕事のことで打ち合わせしながら飲んだのですが、
いま私がやっている「セラピスト専門のコンサルタント」について、
「治療家」と言われる先生と、
塾の先生とでは、
非常に「共通点」が多いということに気がつきました。
※ちなみに、塾の先生というのは
「実社会ではクソの役にも立たないアホばっか」
です(かつての自分も含めて)。
私は普段、治療家の先生にコンサルしたり、ブログを読んだりするにあたって、
「なんで、こんな簡単なことに気づいてないんだろう」
と疑問に思ったり、
「コンサルしていただいて、大事なことに気づきました!」
(いまさらかよ)
と思ったりしていたのですが、
その根本的な理由に気づき、整理することができました。
かなり長文になりますが、主に治療家の先生に向けて、
私のコンサルを受けた、受けるつもり、受ける気はない等に関わらず、
すべての「治療家の先生」に読んでいただければと思います。
その際、より理解を深め&早めていただくため、
「もし、自分が塾に通うとしたら、どんな先生がいいか」
「もし、自分の子どもを塾に通わせるとしたら、どんな先生がいいか」
を、想定しながら読んでいただくといいでしょう。
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塾の先生の「仕事」とは?
生徒に勉強を「教えること」。
……まあ、間違いではありません。
しかしそれは、
「当たり前のこと」
です。
塾の採用試験や面接試験において、
「あなたは、生徒に勉強を教えられますか?」
「はい、教えられます」
という、第一歩で聞かれる「最低条件」に過ぎません。
「いや、ちょっと自信がありません」
というなら、塾の先生は向かないのですから、他の職業につくべきです。
生徒に勉強を「教える」。
これは、塾の先生としての「最低条件」であって、決して「仕事」ではない。
分かりますよね。
別に、勉強を教えるだけだったら、親でも兄弟でも、近所の人でもいいんですから。
●これを踏まえて。
治療家の仕事とは何でしょうか?
痛みを「治すこと」。
それは、治療家としての「必要最低条件」ですね。
治せるのは「当たり前」の話です。
そうじゃない人は、もともと治療家に向かないんだから、別の仕事をするべきです。
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では、もしもあなたが、子どもの塾を選ぶときに、
「おたくでは、うちの子にどんなことをしてくれるんですか?」
「勉強を教えます!」
「……いや、そりゃ塾なんだからそうでしょうけど、具体的には?」
「具体的には、来るべき高校受験に備えて、国語と数学と英語と社会と理科を、バランスよく教えます!」
「……いや、そんなことはわかってるんですけど」
もし、こんなやりとりしかできない塾の先生だったら、どう思いますか?
「だめだこりゃ」
と、帰ってくるでしょう。
●これを踏まえて。
私がセラピストにコンサルするとき、
「あなたは、患者さんにどんなことができるんですか?」
「痛いところを治します!」
「……いや、そりゃわかってますよ。接骨院なんだから。具体的には?」
「はい、人間の体が痛むときには原因がありますので、その原因を探って、自己治癒力を発揮させて治します!」
「……いや、そんなことはわかってますけど」
と、ほとんどのセラピストと、私はこういう問答をしています。
例外はごく少数ですね。
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このやりとりから、何が分かるでしょうか?
塾の先生も、治療家の先生も、
自分が本来やるべき仕事の
「本質」
がわかっていない、ということです。
だから、本来やるべきことをやっていない。
というかそもそも、
頭のいい子は塾に来ないし、
体の悪くない人は院に来ないので、
本来「必要のないこと」を仕事にしている時点で、
本来「やるべきこと」が分からないのは当然なのですが……
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では、塾の先生の仕事の「本質」とは何か?
それは、生徒を、
「やる気にさせること」
です。
そして、
「自分から、勉強するように仕向けること」
です。
塾で勉強する時間なんか、たかだか2時間や3時間です。
そんなもんで、成績が上がる?
志望校に合格できる?
そんなわけがあるはずないでしょう。
成績を上げ、合格するには、
「自分で頑張って勉強する」
これ以外にはあり得ません。
でも、多くの生徒は、それができない。
わかっててもできない。
なら、「なぜできないのか?」を分析し、
「こうすればできるよ」
と、「やり方」を教えてあげて、
生徒を「やる気」にさせる。
そして、実際にやらせる。
つまり「自己勉強力」を上げる。
これができて、初めて、
塾の先生の「仕事」と言えるのではないでしょうか?
●これを踏まえて。
じゃあ、治療家の本質とは?
それは、患者に、
「自分で治す」
という気にさせること、じゃないでしょうか?
いくら「私は治せる、治せる」と言ったところで、
そんなもんは「そのときだけ」でしょう。
家に帰れば、また間が開けば、痛くなるに決まってます。
それは、その場しのぎで「表面」が治っただけで、
根本的な「原因」は、治っていないからです。
その「根本的な原因」を治すのは、患者自身の「生活習慣」。
つまり「自己治癒力」でしょう。
つまり、
「自分で治そう、という気にさせる」
「患者の生活習慣を変えさせる」
それができて初めて、「治療家の仕事をした」と言えるのではないでしょうか?
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ところが、多くのセラピストのブログを見ていると、
「人間の痛みには原因があります」
「表面的に痛みを取るのは簡単ですが、原因を治さない限り再発します」
「その原因を治すには生活習慣です」
「または、予防が大事です」
「人間には自己治癒力があるのですから、自分で治せます」
と、偉そうに講釈ばかり垂れている治療家ばっかり。
分かってるんだったら、さっさとやれよ!
と思います。
あとは、
「私は治せます、治しました」
の、治した自慢。
それは、
「私は生徒に、こんなことを教えました」
と、「教えた自慢」をしている塾の先生と同じ。
多いんです、そういう先生。
「教えた自慢」ではなく、
「やる気にさせた自慢」をするべきなのですが。
この点、
「塾の先生の本質は、生徒をやる気にさせることだ」
と分かっている先生と、
「治療家の本質は、患者を自分で治す気にさせることだ」
と分かっている治療家を比べると、
治療家の方が
「分かってない」度数が高いと思います。
「私は、治せますから」
と、
「治せる自慢」
に終始している治療家。
あるいは、
「痛みの原因とは……」
と、
「知ってる自慢」
を気取っている治療家が、どれだけ多いことか。
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もしも、あなたが子どもを塾に通わせていて、
「あの~先生、中間テストの結果がだいぶ悪かったんですが……」
「はい、それはですね、内容の理解が足りなかったからですね」
「はあ」
「つまり勉強というのは、一度習ったことであっても、反復しない限り記憶は定着しません。ですから、いかに家庭で復習するかが大事なのです」
こんなことしか言わない塾の先生に、子どもがまかせられますか?
「あなたのお子さんが高校に落ちた原因ですが……」
と、「ダメだった理由」を説明されて、納得いきますか?
「そんなことはわかってるよ!」
「だから、おたくに頼んだんだよ!」
と、頭に来て当然ですよね。
●これを踏まえて。
「あの~、腰が痛くてしょうがないんですが……」
「それは、骨盤のゆがみが原因ですね」
「ああそうですか。ではどうすれば……」
「それは、骨盤のゆがみを正常にすれば治ります」
「ああそうですか。じゃあどうすれば……」
「それは、骨盤周りの筋肉を鍛えれば正常になります」
「ああそうですか。じゃあどうすれば……」
「まずは、骨盤周りの筋肉を鍛えるような生活を送りましょう」
「そんなことはわかってるよ!」
「だから、おたくに頼んだんだよ!」
と、頭に来て当然ですよね。
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このように、塾の先生も、治療家の先生も、
「目先のこと」
「当たり前のこと」
しか言えない人ってのは、ダメですね。
逆に言えば、
塾の先生ってのは、「勉強」以外に何の取り柄もない。
治療家の先生ってのは、「体のこと」しか、何にも知らない。
そういう人が多すぎるというか、「ほとんど」だと思います。
私なんか、そういう「塾ワールド」がほとほと嫌になって、
「もっと、やる気のある大人だけ、高い金もらって教えよう」
と思ってコンサルタントになったわけです。
では、そんな「治療家ワールド」が嫌になったセラピストは?
私のコンサルを受けて、
「こりゃ、社会の構造そのものを変えないと、何も変わらないな」
と悟って
「社会貢献家」
へと、転身しているわけです。
要するに、社会が変われば「痛みが生まれる根本原因」が改善されるわけですから。
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