神奈川県といえば、日本で初めて「受動喫煙防止条例」を施行した自治体ですね。
しかし知事も替わり、飲食店からの反対を受けて、徐々に「骨抜き」になっていくようです。
ここでいう「飲食店」とは、
「うちは、禁煙にすると客が入らない」
「うちの客は料理より、タバコを吸いに来ているんだ」
「料理より、タバコが吸えるか吸えないかの方が死活問題だ」
というお店のことです。
つまり「食事もできる喫煙所」ですね。
二〇一〇年四月に施行した県受動喫煙防止条例を三年ごとに見直す規定に基づき、県は二日、有識者や関係者による見直しの検討部会の初会合を、横浜市内で開いた。
県側は条例の規制強化の是非など、複数の検討項目を提示。
委員らは賛否それぞれの立場で意見を述べた。
会合では、県民の健康づくりの活動をしている委員が、受動喫煙防止について「後戻りしないで少しずつでも進めてほしい。禁煙すれば、がんになって死ぬことを予防できる可能性がかなり高い」と話し、取り組みの強化を求めた。
一方、飲食業界の委員は「小さい店は分煙施設を造るためのスペースも資金もない。これ以上、条例を厳しくするのは勘弁してほしい。私たちは今までも分煙に頑張ってきた」と、厳しい経営事情を訴えた。
現行の条例は、学校や病院、映画館など公共性が高い施設を禁煙とし、飲食店やパチンコ店などには禁煙か分煙を求め、店内の半分以上を禁煙スペースとする内容。違反した施設には、県が指導や改善命令を行い、従わない場合は五万円以下の過料を課す。 (新開浩)
(東京新聞)