【喫煙を考える】(上)防止条例実施に99%が反対 山形県の受動喫煙対策…意見募集で減速か

神奈川県、兵庫県が相次いで受動喫煙防止条例を実施した。

しかし、他の都道府県が追随しようとしているわけではない。

大阪府は先ごろ、1度掲げた条例案を白紙に戻した。

条例化を視野に受動喫煙防止対策を積極的に進めてきた山形県は2月、「健康づくり推進に関する計画(案)」に対する意見募集を行い、このほどその結果概要を公表。

その中で、受動喫煙防止条例の実施については949件の意見が集まったが、賛成はわずか6件。

全体の99%の943件が反対を示した。

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さらに、現状の県の成人喫煙率(20・5%)を厚生労働省の「健康日本21」と同様、10年後に12%まで下げるという数値目標を掲げたが、

「数値目標の算定根拠がない(国はやめたい人がやめる目標)」(14件)、

国が認める嗜好品に対し、数値目標は不要」(17件)、

「特定の数値に誘導しようとする行政の介入は不要」(16件)、

マナーが大事であり数値目標は不要」(1件)と反対意見が占めた。

その他、全国に比べて特に高い20代、30代男女の喫煙率を全国平均以下にするという目標も、

「国よりも踏み込んだ20~30歳代の県独自の目標は不要」と全18件が反対意見。

受動喫煙に関する計画案も、

「家庭・飲食店などの目標は不要」(3件)、

「職場の目標『0%』を国の目標『受動喫煙のない職場の実現』に修正すべき」(5件)

と、やはり反対意見ばかり寄せられた。

こうした結果に対し県は、「(すでに施行している)神奈川県、兵庫県での条例の効果や課題を見極めつつ受動喫煙防止対策に取り組んでいきたい」という考えを示している。

しかし、個々の意見に対しては、

「喫煙率の数値目標は国と同じ数値目標を目指すもので、県が独自に数値を設定し、規制・強制するものではない」

「『受動喫煙のない職場の実現』を県民に分かりやすいように表現したのが『0%』であり、国と同じ目標」と回答。

反対意見の矛先を「国」に転嫁しようという様子が見受けられ、この問題への取り組みがトーンダウンし始めていることを感じさせた。

この結果を国はどう受け止め、他の自治体はどう参考にしていくのだろうか。


【ポイント解説】

まず、この記事の発信元が「ZAKZAK」つまり、産経新聞系であることに注目です。

産経新聞といえば、特に権力ベッタリで有名な新聞社ですから、タバコ利権の元締めである財務省に気を遣い、タバコに批判的な記事を載せることはありません。

必ず

「喫煙者の形見は狭くなる一方だ」

「禁煙は愛煙者に対するイジメだ」

という、古くからの思考停止・洗脳フレーズを繰り返しています。

そういうところを割り引いて読むにしても、それでもかなり反対が多いですね。

もちろん、ここで「受動喫煙条例に反対」と言ってる人たちは、当然ながら「たばこ利権」に関わる人たちでしょう。

人間、自分の既得権益が脅かされそうになると、必死で抵抗しますからね。

それが良く現れているのが、

①国が認める嗜好品

②マナーが大事

という、これまたお決まりの「思考停止・洗脳ワード」を使っている点です。

タバコは、国が認めた「嗜好品」ではありません。

国が認めた「徴税品」です。

これは「たばこ事業法」という法律に明記されています。

また、「マナーが大事」と言う人は、そもそもマナーが守れている人はいません。

これは、違憲状態の衆院選で当選した違憲議員のくせに、憲法を変えようとしている今の自民党と同じです。

一言でいえば「田舎の保守系」な土地柄なので、既得権益にしがみつき、変化を嫌う人が多いので、こういう結果になったのでしょう。

また、県としても、いかにも「国が言ってるから仕方なく」みたいな弱腰なポーズが感じられます。

国は結局は口ばっかりで、本気でやるつもりなんてないのですから、山形県の首長がどうしたいのか、そして県民はどうなのか、が問われています。

六本木タツヤ

禁煙は愛 医僧が説く AED持ち歩き、各地で講演

禁煙マークが付いた僧帽にけさ。

「歩く禁煙マーク」となって、たばこの害を訴える。

とげぬき地蔵尊で有名な東京・巣鴨の高岩寺住職、来馬明規(くるまあきのり)さん(50)は循環器内科医でもある自身を「医僧」と言う。

「僧侶も医師も生死を扱う仕事。健康でより良く生きるために、たばこはやめるべきだ」と説き、年二十回は全国各地で講演を続けている。

三十一日は世界禁煙デー。 (奥野斐)

 

来馬さんが禁煙の啓発を始めたのは二〇〇五年、住職になってから。

年間八百万人の参拝者の健康を願い境内を全面禁煙にした。

寺の僧侶ら五十人のうち、喫煙していた十人も一年で全員たばこをやめた。

内科医の勤務経験があり、目の前でたばこを吸う人がどんどん亡くなっていく無力感を痛感した。

「喫煙は仏の道から外れる。受動喫煙は他人も傷つける」と言い切る。

いくら害を説いても、たばこは依存性があり、言葉で説得できないので、奇抜な格好を思いついた。

説得力を出すため、自動体外式除細動器(AED)を持ち歩き、喫煙者は心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化のリスクが高まるとデータを挙げて説明。

「たばこをやめないと、AEDのお世話になりますよ」。真っ赤なAEDと変わったいでたちでユーモアを交えて語る。

 

日本は〇四年、たばこの規制に関する世界保健機関(WHO)枠組み条約を批准。

がんや生活習慣病予防から国全体で受動喫煙対策を進めている。

 

三年前には公共の場は原則的に全面禁煙にするべきだとの通知も出たが、喫煙所を撤廃した自治体は少ない。

来馬さんは「まずは身内から」と境内に禁煙を求めるのぼり旗や表示を掲示し、参拝者や露天商、お年寄りでにぎわう近くの巣鴨地蔵通商店街(豊島区)にまで禁煙を徹底。

反発もあったが、禁煙マーク入りのTシャツや法被、うちわを配り協力をあおいだ。

また、建て替えが進む豊島区庁舎の全面禁煙を求め署名を集めており、六月に区議会に署名を添えて陳情する。

来馬さんは「禁煙は愛。大事な人を守るためにもたばこはやめましょうよ」と呼び掛けた。

….*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…. *…..*….

<世界禁煙デー> 世界保健機関(WHO)が1989年に、毎年5月31日を禁煙推進の日として定めた。

WHOは、喫煙しないことが通常の社会習慣になることを目指し、各国が普及啓発をすると決議。

旧厚生省(現・厚生労働省)も、92年から世界禁煙デーに始まる1週間を「禁煙週間」と定め、毎年、禁煙や受動喫煙防止などの取り組みを呼び掛けている。

2013年5月31日 東京新聞


【ポイント解説】

①いくら害を説いても、たばこは依存性があり、言葉で説得できないので、奇抜な格好を思いついた。

奇抜な格好、というやり方は有効だとは思います。

が、伝える内容が「タバコは健康によくないですよ」では、従来の禁煙啓発と同じ。

「別に、そんなに健康にならなくてもいいよ」

という、古典的ニコチンおたくに届くかどうかは疑問です。

②日本は〇四年、たばこの規制に関する世界保健機関(WHO)枠組み条約を批准。がんや生活習慣病予防から国全体で受動喫煙対策を進めている。

この「国全体で進めている」というのはウソですね。

厚生労働省や環境省は進めようという「フリ」をしているにすぎないし、何しろタバコの元締めである財務省が、受動喫煙対策を望んでいません。売上が下がりますからね。

③三年前には公共の場は原則的に全面禁煙にするべきだとの通知も出たが、喫煙所を撤廃した自治体は少ない。

「通知」というか、厚労省の健康局長による「通達」一本ですからね。

これは、全国的な大企業の本部の、○○課の課長が、「身だしなみに気をつけましょう」という通達を支部に出すようなもので、そんなものに従うのはごく一部です。

「全面禁煙にしないと罰する」という「命令」にしないと、意味がないですね。

六本木タツヤ

[NEWS] 厚労省が自己矛盾 同省の官公庁全面禁煙通達を無視

ニコアン・ニュースの時間です。

【厚労省が自己矛盾 同省の官公庁全面禁煙通達を無視】

31日は「世界禁煙デー」

厚生労働省もこれまで、官公庁施設の全面禁煙を求める通達を地方自治体に出すなど禁煙運動の音頭をとってきたはずだが、

肝心の足元でこの通達が徹底されていない。

同省は平成22年2月、健康局長名で受動喫煙防止対策の実施を通達した。

具体的には「公共空間は原則、全面禁煙であるべきだ」と指示。

中でも中央省庁や自治体庁舎について「少なくとも全面禁煙が望ましい」とした。

さらに24年10月の通達でも、対策の徹底を求めるよう念を押している。

 

ところが、同省は昨年5月、小宮山洋子厚労相(当時)の指示で省内に2カ所あった屋外の喫煙スペースのうち、

1階エントランス付近の喫煙スペースを閉鎖したものの全面禁煙は先送り。

「喫煙、禁煙両者に配慮する」(福利厚生室)として2階のオープンデッキでの喫煙を許可している。

また、「世界禁煙デー」の31日に地下1階のたばこの自動販売機を撤去するだけで、今後も全面禁煙しない構えだ。

2013.5.30 00:05 産経新聞


何を問題にしたいのか、よくわからない記事ですね。

 

そもそも、健康局長からの通達内容が「禁煙が望ましい」とか「あるべきだ」だけで、罰則つきの禁止を求めているわけでもない。

だったら、守らなくても「大きなお世話」で終わるはずです。

だから本来なら、通達の内容の「弱さ」を追求するべき。

 

さらに、タバコの販売利権を牛耳っているのは財務省なので、厚労省が本気で自動販売機を撤去なんかできるわけがない。

誰だって、財布を握っているところには逆らえないでしょう。

だから、問題にするなら、財務省が所管している「たばこ事業法」の内容の方です。

 

そして最後に、「世界禁煙デー」の今年のテーマは、「タバコに関する広告はやめましょう」。

ところが日本だけ、「タバコには害があることを理解しましょう」と、幼稚園みたいな内容に差し替えられました。

誰が、なぜ、何の目的で差し替えたのか?

それを報じない限り、こんな記事は何の意味もないですね。